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南高梅(なんこううめ)とは?

和歌山県日高郡みなべ町(旧南部町)は、紀伊半島の中程の海に近い山間部にあり、昔から、平地が少ないことで、山の斜面を利用して、梅栽培が盛んに行われてきました。

昭和25年から30年にかけて、旧上南部村で、戦後の産業復興を祈念し、優良な品種を導入しようと「ウメ母樹調査委員会」が発足。その委員長に、地元の南部高校の教諭竹中勝太郎氏が就任し、その指導のもと、同校が中心となって調査が行われました。各地域から選抜された114個体から、5年を、かけて優秀な6品種が選抜され、その中から特に優秀な品種が選ばれたのが、「南高」です。

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「母樹は、高田禎楠氐栽培の梅を小山禎一氐が接木して繁殖した無名の品種」

竹中教諭は、関係紙「南部農業」に書き残しています。
「1番可愛く思い、特に優秀であり、期待もした一つの無名系統に母校の名前をとり『南高』と名付け、必ず将来このウメと共に南高の名が全国に広まっていき、栽培農家の幸せに奉仕してもらう事をひそかに願う」と。

南高梅の特徴

⚪︎皮が薄く、果肉が柔らかく、たっぷりあり、種が小さく、香り豊か。
⚪︎黄色く熟すことで、本領を発揮し、太陽が当たった場所が、紅を刺す。
⚪︎成り初めの青い実であっても、皮は薄く、調理しやすく、果汁が多い。

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世界農業遺産 みなべ・田辺の梅システムとは

養分に乏しく礫質で崩れやすい斜面を利用して薪炭林を残しつつ梅林を配置し、400年にわたり高品質な梅を持続的に生産してきた農業システムです。
人々は、里山の斜面を利用し、その周辺に、薪炭林を残すことで、水源涵養※や 崩落防止等の機能を持たせ、薪炭林に住むニホンミツバチを利用した梅の受粉、長い梅栽培の中で培われた遺伝子資源、薪炭林のウバメガシを活用した製炭な ど、地域の資源を有効に活用して、梅を中心とした農業を行い、生活を支えてきました。また、人々のそうした活動は、生物多様性、独特の景観、農文化を育ん できました。
※水源涵養とは、森林の土壌が、雨水を吸収して水源を保つとともに、河川へ流れ込む水の量を調整して洪水を防止する機能

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